YOMOYAMA STORY介護よもやま話のご案内

10年が過ぎて

2021年03月18日

あれは突然のできごと。周りから異様な音が聞こえた。目の前の物が突然ゆがみだした。地震とは、地面が揺れるだけでなく、全てのものを揺るがすとてつもない力を持ったものだった。

当たり前の生活がなくなった。いつもの生活がなくなった。あれから10年が経った。早かったのか長かったのか、それぞれの思いを感じながら過ごしてきたのではないか。時間は誰もが同じ。確かにあれから10年が過ぎた。

地震から1ヶ月が過ぎた頃、私は東北にいた。避難所の小学校、2階の音楽室に、要介護状態と思われる高齢者が数人。家族と離れてそれぞれが思いを伝えてくれた。

津波が自宅をのみ込み、必死で逃げたという。あの後、自分の家がどうなったのか。長年住み慣れた土地はどんなふうになっているのか。今は彼らが見に行くすべはない。ひと晩、屋根の上で過ごした。冷たい雪が振っていた。でもこうしてここで暖かくさせてもらっていることに感謝していると話す。音楽室には、あたたかいストーブが焚かれていた。これは懐かしいストーブ、薪とコークスで温めるストーブ。4月下旬、まだまだ東北は寒かった。

住み慣れた土地で、いつまでも過ごしたい。そんな思いを叶えたい。生きて行くには様々な事がおこる。でも、安心できるところ、安心できる見慣れた顔。当たり前の日常を過ごしてきた毎日がいつまでも続くようにと願う。当たり前の日常が本当の幸せだと思う。そんな思いで生まれたのが「サロンド鹿鳴館」。100歳まで自分の足で歩こう。この場所で過ごせるために、みんなと一緒にこれからも頑張って行きたいと、改めて感じた10年目だった。

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