高鹿真杉の介護よもやま話 「フレイル予防は若いうちから」 第240回(2022年6月掲載)
2023年01月17日「フレイル」という言葉を知っているだろうか。今、国を挙げての取組が行われている重要な問題。すぐに予防対策を考えてほしい。老年症候群といい、虚弱を意味する。厚労省によると、「年を取って身体や心の働き、社会的な繋がりが弱くなった状態」とされ、健康な状態と、要介護状態との中間とされる。
これは高齢者だけの問題だろうか。中高年が、「まだまだ年じゃない」と軽く考えるにはあまりに危険だ。フレイルを放置しておくとその先には養介護になる可能性が高くなっている。少しでも早く気付くこと、対策を考えることが大切になる。少しでも若い頃からフレイルの前段階のプレフレイルに気付き、生活習慣を考える事が重要だ。適切に対応すれば、健康を取り戻し、回復可能である。健康寿命を延ばすことに繋がる。
フレイルは一つだけではとどまらず、身体中で起こる。大きく運動機能と脳機能に分類される。運動機能は加齢により自然に筋力や筋肉量が減り、筋力フレイルが起こる。筋力低下により代謝が低下、エネルギー消費が減り、内分泌フレイルが発生。加齢に伴い免疫低下、様々な病気を引き起こし、重症化に繋がる。
脳機能は35歳以降、毎日10万個もの脳細胞が死滅する。残った脳細胞も萎縮し、機能低下を起こし「脳フレイル」が起こる。家に引きこもりがちになり、社会的フレイルを引き起こす。
「まだまだ」はいったん忘れて、自分の身体を考えてあげてみよう。少しでも早く対応する事で、これからの生活が活き活きと過ごせるようになる。